第6回ままてらすビジネスプランコンテスト
岩波青

岩波 青

幸福体験から家族のような地域づくりへ 〜孤独な育児環境を引き渡さないために〜

《 事業概要 》

【誰に】ワンオペ育児に困っている未就園児のお母さん
【何を】価値観(1人で子育てをしなくていい・子育ては地域全体で行うもの)
【どうやって】共同作業(毎日一緒に過ごして料理や作業をする時間を提供する)
【社会・地域・周りの人に果たす役割】人との繋がりを作ることによって相互扶助関係が生まれる、幸福感を感じる
【収益】会員の作業によって作られた商品の物販(海外向け)(他、オンラインサロン・出版物なども考え中)

《 経歴・想い 》

私は4歳と6歳の子どもを育てるシングルマザーです。幸福体験デザイナーとして、人と人とをつなげるきっかけを作ることによって、「子育ての物理的負担の解消」と「人々の不安の解消を」目指して活動しています。その活動の拠点や中心となる事業の計画を立てました。なぜこの事業を立ち上げたいかの理由を、自身の経歴も含めて記述します。

「明日は明日はもっと優しいお母さんになって、こどもと笑顔で過ごしたい…」娘が生まれた日から、私は毎日思っていました。産後のダメージと睡眠不足の中、時間も場所も頻度も関係なく部屋に響く娘の泣き声を浴びながら、娘の要望を汲み取ってあげられない自分が情けなくて悔しくて悲しくて…責められているような気がして段々追い詰められて……。赤ちゃんを目の前に毎日怒鳴っている自分がいました。

こどもの心を傷つけている自分が醜くて。いつか手をあげてしまいそうな自分が怖くて。「こどもとふたりきりにしないで」と、出社する主人にすがって泣きました。そんな状態なのに、どんなに泣いても、誰かに相談しても、かけてもらう言葉は「今はそんなものよ」「今が一番可愛い時なんだから頑張って」といった「今はしょうがない」という答えばかりでした。「本当にこんな状態を続けていいといえるのか」と思いながらも、同じ毎日を繰り返すことしかできない自分が不甲斐なくてまた泣きました。

自分が未熟なせいなんだとしばらく悩んでいましたが、周りのママ友と話したり状況を見るうちに、どの家庭も同じなんだと感じるようになりました。本当にこれが育児の当たり前なのだとしたら、とっくに人間は滅んでいたのではないかと思って調べるうちに、社会学と出会い、暮らし方も働き方も時間の流れも変わってしまった現代でお母さんと赤ちゃんは昔と違って孤立しているということ、それによりたくさんの社会問題が引き起こっているという因果関係がわかりました。

優しくなれないのは本当にママの能力や人間性の問題でしょうか?私は違うと思います。
社会はどんどん「個」を進めるように分断して発展していくけれど、「子育て」はたくさんの人間の営みの中でしか成り立たちません。

「お母さんのサポートをしよう」という事業は世の中にたくさんあると思います。けれど、「子育てはお母さんがするもの」という概念を世の中から取り去らない限り、子育ては母にとっても子にとっても、家庭にとっても窮屈で不安なものになりつづけます。
社会的な「正しさ」「効率の良さ」「プライバシー」「快適さ」などを求めるのではなく、実際に感じている感情を表現できる居場所や人間関係、またそれを真剣に改善していこうとする環境が、お母さんにとっても子どもにとっても必要であると思います。

私は、昨年の夏、自宅開放をして24時間365日、未就園児の親子が駆け込める子育てハウスをOPENしました。世間体や常識やご近所の迷惑など、考えなくてもすむ環境を整えることでお母さんの心身の負担を減らし、円満な家庭や育児を増やしていきたいと思ったからです。しかし、結局、手伝ってくれる友達に謝礼を払うこともできず、引越しやビジネスコンサルに投資した分の借金が増えて大変なことになってしまいました。

「誰かを助ける事業に手をつける」ということは、「やっぱりできませんでした〜」「つづけられませんでした〜」となった時に困る人がたくさんでてきてしまうという大きなものを背負っています。なので、絶対継続できる事業にする必要と責任があります。
きちんと継続してお母さんたちのサポートができたり、運営していくメンバーの経済力もつけれらるようにしたい。このビジネスコンテストに挑戦することで、それをより確実なものにしていきたいと考えています

※保有資格:保育士資格、小学校教諭一種免許状、普通自動車免許

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